棚卸
たなおろし
在庫の数量と状態を実際に数えて確認する作業。
棚卸は、帳簿の上で「あるはず」の在庫と、実際にそこにある在庫を突き合わせる作業です。数を数えるところだけを指すこともありますが、合わなかったときに理由を調べ、記録を正しい数へ直すところまでが棚卸です。
なぜ数を数え直すのか
在庫は、入荷と販売を記録していれば計算で出せます。それでも数え直すのは、記録に残らない減り方があるからです。
- 破損・汚損で売り物にならなくなった
- 賞味期限や消費期限が切れて廃棄した
- レジを通さずに減った(万引き、数え間違い、伝票の付け忘れ)
- 入荷時の検品で数を取り違えた
計算上の在庫と実際の在庫の差を棚卸差異と呼びます。差が大きいほど、どこかの手順が崩れているという合図になります。
棚卸のやり方
- 数える範囲と担当を決める(売場、バックヤード、倉庫を分ける)
- 締めの時点を決め、それ以降の入出庫を止めるか、別に記録する
- 二人一組などで数え、伝票やハンディターミナルへ入力する
- 帳簿の数と突き合わせ、差が出た商品を洗い出す
- 差の理由を調べ、記録を実際の数へ直す
数える前に売場を整えておくと、数え漏れと重複が減ります。 同じ商品が離れた場所に置かれていると、片方を数え忘れます。
実地棚卸と帳簿棚卸の違い
| 呼び方 | 何をするか |
|---|---|
| 実地棚卸 | 現物を実際に数える。「棚卸」と言うとき、たいていこちら |
| 帳簿棚卸 | 入出庫の記録から在庫数を計算で出す |
帳簿棚卸だけでは、記録に残らない減り方をつかめません。 そのため、期末や月末に実地棚卸を行って記録を合わせます。
何のために必要か
在庫は、企業にとって金額を持つ資産です。在庫の数が確定しないと、その期にいくら儲かったかが決まりません(売れた分の原価が計算できないため)。決算や税務の手続きの前に棚卸が必要になるのは、このためです。
現場の側から見ると、棚卸は発注の精度を上げるための作業でもあります。記録と実物がずれたままだと、あるはずの商品が無く、いらない商品が積み上がります。
どんな仕事で出てくるか
小売、飲食、卸、製造、物流など、モノを扱う職場で広く行われます。閉店後や休業日にまとめて実施する職場が多く、繁忙期として扱われます。 経理や本部の担当者は、集計された数字を決算の側から扱います。
出典・参考
- 厚生労働省「job tag スーパー店長」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/55 (2026-07-19参照)