クレーム対応
くれーむたいおう
商品やサービスへの苦情を受け止め、事実確認から解決までを行う業務。
クレーム対応は、商品やサービスへの苦情を受け止め、事実を確かめ、解決までを進める業務です。謝ることそのものが目的ではなく、何が起きたかを特定し、相手にとっての解決を決めるところまでを含みます。
クレーム対応の基本の流れ
- 最後まで聞く — 途中で説明や反論を挟まない。話し終わらないと事実が出てこない
- 事実を確認する — いつ、どこで、何が、どうなったか。記録や履歴と突き合わせる
- 不快にさせた点を謝る — 事実が確定していない段階では、事実そのものではなく、不快にさせたことに対して謝る
- 相手の要望を言葉にする — 交換か、返金か、説明か、再発防止か
- できることと、できないことを示す — 自分の権限で決められない場合はエスカレーションする
- 決めたことを実行し、結果を戻す — 折り返すと言ったら必ず折り返す
- 記録し、原因を共有する — 同じことが起きないよう、現場や部署へ返す
「すべて謝る」と「何も認めない」はどちらも対応を長引かせます。 事実が確定していない段階で非を全面的に認めると後の対応が縛られ、まったく謝らないと相手は話を進められません。
言い換えと使い分け
「クレーム」という言葉は、社内で扱いを分けるために言い換えられることがあります。
| 言い換え | 使う場面 |
|---|---|
| お申し出、お客様の声 | 苦情を含む意見全般を、中立的に呼ぶ |
| ご指摘 | 内容が改善の材料になるとき |
| 苦情 | 制度上・法令上の文書で使う |
英語の claim は「主張する・請求する」で、苦情そのものを指しません。 日本語のクレームは、この意味とずれた使われ方をしています。
不当な要求との線引き
大半の苦情は、事実の確認と説明で解決します。一方で、要求の内容や手段が常識を超える場合は、通常の対応と分けて扱います。
- 対応時間が著しく長い、何度も繰り返す
- 金銭や謝罪の方法について、過大な要求をする
- 大声、暴言、脅しを伴う
この線引きは担当者個人が判断しません。 応対を代わる、複数人で対応する、記録を残す、必要なら法務や警察へ渡すといった手順を、あらかじめ会社として決めておくのが原則です。近年は、こうした行為をカスタマーハラスメントとして扱い、従業員を守る方針を掲げる企業が増えています。
対応する側を消耗させないために
- 一次対応の時間や範囲を決めておく
- 引き取る基準(エスカレーションの条件)を明文化する
- 対応後に一人で抱えさせず、内容を共有する
苦情の内容は、手順や説明の不備を映しています。 同じ理由で繰り返し発生するものは、対応の巧拙ではなく、仕組みの側で直す対象になります。
どんな仕事で出てくるか
コールセンター、小売、飲食、宿泊、医療、介護、公共窓口など、人と接する仕事のほぼすべてで発生します。求人票の「クレーム対応あり」は、どこまでを担当者が引き受けるかで負担がまったく違うため、エスカレーションの体制と併せて確認します。
出典・参考
- 厚生労働省「job tag スーパー店長」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/55 (2026-07-19参照)