エスカレーション
えすかれーしょん
自分の権限や知識で対応できない案件を、上位の担当へ引き継ぐこと。
エスカレーションは、自分の権限や知識では決められない案件を、上位の担当者や別の部署へ引き継ぐことです。「エスカレする」「エスカレをあげる」のように動詞で使われます。
何のためにあるか
エスカレーションは、担当者を守るための仕組みでもあります。 決める権限のない人が独断で答えると、後から覆り、相手の不信を招きます。あらかじめ「ここから先は上へ渡す」と決めておくことで、無理な即答を防ぎます。
エスカレーションが必要になる場面
- 金銭が関わる判断(返金、値引き、補償)
- 契約や規約の解釈を変える判断
- 相手が強く不満を示していて、担当者では収まらない
- システムの不具合など、原因が自分の担当範囲の外にある
- 生命・安全・法令に関わる可能性がある
「怒っているから上へ渡す」ではなく、「決める権限がここに無いから渡す」が本来の基準です。
エスカレーション対応の進め方
- その場で「確認して折り返す」と伝え、対応中であることを示す
- 事実を時系列で整理する(誰が、いつ、何をして、どうなったか)
- 相手が求めていることを、要望として言葉にする
- 自分の判断で決められない理由を添えて、上位者へ渡す
- 回答が出たら、渡した相手へ自分から戻す
渡すときは、経緯だけでなく「何を決めてほしいか」まで書きます。 経緯だけを渡すと、受け取った側が最初から調べ直すことになり、対応が遅れます。
一次対応・二次対応との関係
| 呼び方 | 担当する範囲 |
|---|---|
| 一次対応 | 最初に受ける窓口。手順の範囲で答える |
| 二次対応 | 一次で解決しない案件を引き取る。専門知識や権限を持つ |
| エスカレーション | 一次から二次、二次から責任者へ渡す行為そのもの |
IT分野では、障害の深刻度に応じて渡す先を決めた表(エスカレーションフロー、エスカレーションルール)を用意しておくのが一般的です。
どんな仕事で出てくるか
コールセンター、カスタマーサポート、ヘルプデスク、社内SE、小売・飲食の店舗、保守運用の現場などで日常的に使われます。エスカレーションの件数と内容は、手順書や研修を見直すための材料としても使われます。 同じ理由で何度も上がる案件は、手順の側に穴があるという合図です。
出典・参考
- 厚生労働省「job tag コールセンターオペレーター」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/64 (2026-07-26参照)